ときえだ通信

2019年1月 9日 水曜日

卵アレルギーとインフルエンザ予防接種



「卵アレルギーでもインフル予防接種は安全」米学会が見解

接種前のアレルギー有無の確認も不要に

国際医学短信2018年1月4日 (木)配信 一般内科疾患アレルギー疾患小児科疾患感染症

1件のコメントを読む    ツイート 
臨床新着メールを登録する






 米国アレルギー・喘息・免疫学会(ACAAI)は12月19日、「卵アレルギーのある人でもインフルエンザワクチンの接種は安全であり、医療従事者が接種前に卵アレルギーの有無を確認する必要もない」とする診療指針(practice parameter)を発表した。指針の全文は「Annals of Allergy, Asthma and Immunology」2018年1月号に掲載されている。

 ACAAI食物アレルギー委員会の委員長で、今回の指針の筆頭著者である米コロラド大学アレルギー・免疫部門のMatthew Greenhawt氏は「インフルエンザワクチンの接種前に医療従事者が卵アレルギーの有無を確認することは多いが、今後はそのような必要はないことを医療従事者や一般の人たちに認識してもらいたい」と話す。また同氏によると、卵アレルギーがある人がインフルエンザワクチンを接種する場合も特別な対応は必要ないという。

 インフルエンザワクチンの多くは鶏卵で培養したインフルエンザウイルスを使用しているため、わずかに卵由来のタンパク質が含まれている。しかし、2011年以降に発表された研究データでは、卵アレルギーがある人ではインフルエンザワクチンの接種によるリスクがアレルギーのない人を上回ることはないという明確なエビデンスがあるという。

 ACAAIは、今回の指針に関するプレスリリースで「これまでに、卵アレルギーの人でもアレルギー反応を起こさずにインフルエンザワクチンを接種できることを示した研究結果が数多く報告されている。これは、インフルエンザワクチンに含まれている卵由来のタンパク質の量が、たとえ重度の卵アレルギー患者であってもアレルギー反応を引き起こすほどではないためだ」と説明している。

 なお、これまでのACAAIの指針では、卵アレルギーがある人へのインフルエンザワクチン接種は安全のためにアレルギー専門医がいる医療施設で行うことが推奨されていた。しかし、今回発表された新指針ではその必要はないとしているほか、卵アレルギー患者に対して卵由来の物質が含まれていないワクチンを特別に用意したり、接種後の観察期間を通常よりも延長したりする必要はないとの見解が示されている。また、接種前に卵アレルギーの有無を確認することさえ不要だとしている。

 ACAAIによると、この新指針は米疾病対策センター(CDC)や米国小児科学会(AAP)の勧告と同じ方針だという。「米国では毎年インフルエンザによって数多くの人々が入院し、死亡している。その多くはワクチンによって予防できるはずだ」と今回の指針の共著者である米スクリプス・クリニックのJohn Kelso氏は強調する。また、同氏は「卵アレルギーは小児に多くみられ、小児はインフルエンザにも罹患しやすい」と指摘。「卵アレルギーがある小児を含むあらゆる人々に対してインフルエンザワクチンの接種を奨励することが極めて重要だ」としている。

投稿者 ときえだ小児科クリニック | 記事URL

2018年12月19日 水曜日

任意接種ですが、ムンプスワクチン接種しましょう



定期接種化ムリなら任意接種妨げないで【小児感染症学会2018】

ムンプスワクチンによる髄膜炎発症率、自然感染の400分の1

MMJ2018年12月18日 (火)配信 小児科疾患感染症その他

コメントを投稿する    ツイート 
臨床新着メールを登録する



 第50回日本小児感染症学会総会・学術集会(会長・大賀正一九州大学大学院医学研究院成長発達医学分野教授)が11月10~11日、福岡市内で開かれ、11日にはシンポジウム4「近年定期接種化されたワクチンと今後の定期接種化が待たれるワクチン」があった。福島県立医科大学小児科の細矢光亮主任教授は「おたふくかぜワクチン」をテーマに発表し、ムンプスワクチンによる髄膜炎の発症率は自然感染による髄膜炎の約400分の1であると解説した。(MMJ編集長・吉川学)

ムンプス難聴で年間140人に「著しい支障」

 細矢主任教授は最初に、日本小児科学会が2011年に示した予防接種スケジュールについて、ロタウイルスとムンプスは取り残されていると指摘。また、ムンプスによる合併症として無菌性髄膜炎、脳炎・脳症、精巣炎が多く、後遺症として聴力障害、中枢神経障害(発達障害、てんかん)、性腺機能障害(不妊)などがあるとした。特に聴力障害については、2015 年~2016 年の2 年間に少なくとも348 人がムンプス難聴を発症し、うち16 人は両側高度難聴、261 人が一側重度難聴の後遺症を残したという日本耳鼻咽喉科学会の「ムンプス難聴の全国規模調査」の結果を紹介し、少なくとも年間140人が社会生活に著しい支障を来す後遺症を残すと説明した。

 さらに、ムンプス自然感染と幼児期早期にワクチンを接種した場合の無菌性髄膜炎について比較。自然感染は年齢が高くなるにつれて、無菌性髄膜炎や難聴の合併率が高くなり、ムンプスワクチンも耳下腺腫脹や無菌性髄膜炎の合併症の頻度が高くなるとした。1~2歳での初回接種が推奨されるようになった最近の製造販売後調査では、無菌性髄膜炎は3~4万人に1人(0.003%)の発症で当初より低下し、自然感染による髄膜炎の発症率1.24%と比べると、約400分の1であると解説した。

 これに基づきメリットがリスクを上回ると判断、ワクチンに関連する17 団体から成る予防接種推進専門協議会が今年5月、厚生労働省に現行のムンプスワクチンでの定期接種化を要望。9月10日の予防接種基本方針部会の小委員会で議論され、リスクを十分説明し理解を得て実施という選択肢1と、より高い安全性が期待できるワクチンが承認されるまで待つという選択肢2から、選択肢2が選ばれたと説明した。

 最後に細矢主任教授は、「おたふくかぜで難聴になるのを知っていたら絶対にワクチンを接種していた。任意接種なのは国が推奨していないからだと思っていた」という保護者の声を紹介し、「現時点で定期接種化ができないのであれば、国として理由を説明し、任意接種を妨げないようにしてもらいたい」と訴えた。

投稿者 ときえだ小児科クリニック | 記事URL

2018年10月26日 金曜日

アトピー性皮膚炎(AD)及び食物アレルギー(FA;特に鶏卵)発症予防プロジェクト

医学の進歩により、特に免疫・アレルギー分野での新しい知見や治療方法が次々と報告されるようになってきました。
乳児期早期からのスキンケアーにより、アトピー性皮膚炎発症が効果的に抑えられるという科学的データが国内外から報告されています。
また、食物アレルギー発症のメカニズム(二重暴露仮説)が提唱され、経口免疫寛容(食べることでその食物に対する抗体産生が起こらないこと)と経皮感作(皮膚を介して食物抗原に抗体が作られること)の重要性が認識され、その点からも乳児期に皮膚を健康に保つことが、FA予防の一助になることが多くのデータで示されました。乳児期にADを発症した場合、1歳時のFA発症率が高くなること、早期のAD寛解導入(治療すること)と鶏卵の早期少量経口負荷(食べさせること)が明らかに2~5歳時での鶏卵アレルギー発症(FA)を抑制できたこと、等のデータも報告されています。

以上のことから、乳児期早期のお子さんを対象に
①皮膚の状態観察を行い、適切なスキンケアー指導によりアトピー性皮膚炎発症を予防する。
②初診時から皮膚症状が見られる患者さんは、適切な外用療法を行うことで早期に皮膚症状の寛解(治ること)を図るとともに、鶏卵アレルギー(FA)発症予防の為の早期鶏卵少量経口負荷を指導する。
というプロジェクトを行いたいと思います。

投稿者 ときえだ小児科クリニック | 記事URL

2017年10月 7日 土曜日

インフルエンザ予防接種が足りません!



厚労省がインフルワクチンの原則1回接種を要請

2017/10/5

古川湧=日経メディカル 

 厚生労働省は9月15日、季節性インフルエンザワクチンの供給についての通知を発出した。今シーズン使用するワクチンの製造予定量が昨年度使用量を下回っていることから、例年以上に効率的にワクチンを使用することを要請している。この通知を受けて日本医師会は9月21日、都道府県医師会の感染症危機管理担当理事宛に事務連絡を発出し、医療機関などへの周知を呼びかけている。

 通知では、13歳以上の者がワクチン接種を受ける際に、医師が特に必要と認める場合を除き、接種回数を原則1回にすることを求めている。国内で流通しているインフルエンザワクチン製剤の用法用量は全て「13歳以上の者については、0.5mLを皮下に、1回またはおよそ1~4週間の間隔をおいて2回注射する」となっており、13歳以上にワクチン接種を1回で行うことは適応の範囲内であることを強調している。

 1本に数回分の薬液量がある製品については、当日中に全て使用するなどの注意事項に配慮しつつ、効率的に使用するよう求めた。また、昨シーズンはシーズン終盤でワクチンの返品があったことから、必要以上に多量の予約・注文は行わないよう要請するとともに、今シーズンに返品を行った医療機関などは公表する可能性があると警告した。

 インフルエンザHAワクチンの2017年度製造株は5月時点でA/埼玉/103/2014(CEXP002)が選定されていた。しかし、同株の増殖効率が昨シーズンのワクチン株と比較して約3分の1と著しく悪かったため、A/香港/4801/2014(X-263)に変更。株の変更によりワクチンの製造開始が遅れたことで、製造量不足が生じたとみられる。

 7月31日時点における製造見込み量は約2528万本(1mLを1本に換算)で、昨年度の使用量である2642万本を下回っている。ただし、上記のような対策(13歳以上への1回接種など)が十分に講じられれば、昨年度と同等程度の接種者数を確保できる見込みという。

投稿者 ときえだ小児科クリニック | 記事URL

2017年9月11日 月曜日

インフルエンザワクチン(フルミスト)の臨床情報

数年前から新しいタイプのインフルエンザワクチン(フルミスト;弱毒生ワクチン 鼻から吸入するタイプ)を実施する医療機関が増えてきました。注射ではないのでいわゆる「痛くない予防接種」と言われているものです。
アメリカでは既に数年の実績があり、今回その効果についてのレポートが出ていたのでご紹介します。昨年のブログで記したのでご記憶の方もいらっしゃるかと思います。

急性呼吸器疾患で救急病院を受診した生後6カ月以上の米国小児6879例を対象に、2013-14年に小児に使用されて効果不十分だったA(H1N1)pdm09ウイルス株を改変したワクチンの2015-16年シーズンにおける効果を検証。全インフルエンザ疾患に対するワクチンの有効性は全体で48%(P<0.001)だった。2-17歳群においては、不活化ワクチンの効果は60%(P<0.001)だったが、弱毒生ワクチンは5%(P=0.80)にとどまり、効果があるとは認められなかった。

【原文を読む】
Jackson ML et al. Influenza Vaccine Effectiveness in the United States during the 2015-2016 Season. N Engl J Med. 2017 Aug 10;377(6):534-543. doi: 10.1056/NEJMoa1700153.

結論としては、小児に関しては現在の不活化ワクチンの有効性が高いということですね。

投稿者 ときえだ小児科クリニック | 記事URL

ときえだ小児科クリニック 045-595-4150