ときえだ通信

2018年12月19日 水曜日

任意接種ですが、ムンプスワクチン接種しましょう



定期接種化ムリなら任意接種妨げないで【小児感染症学会2018】

ムンプスワクチンによる髄膜炎発症率、自然感染の400分の1

MMJ2018年12月18日 (火)配信 小児科疾患感染症その他

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 第50回日本小児感染症学会総会・学術集会(会長・大賀正一九州大学大学院医学研究院成長発達医学分野教授)が11月10~11日、福岡市内で開かれ、11日にはシンポジウム4「近年定期接種化されたワクチンと今後の定期接種化が待たれるワクチン」があった。福島県立医科大学小児科の細矢光亮主任教授は「おたふくかぜワクチン」をテーマに発表し、ムンプスワクチンによる髄膜炎の発症率は自然感染による髄膜炎の約400分の1であると解説した。(MMJ編集長・吉川学)

ムンプス難聴で年間140人に「著しい支障」

 細矢主任教授は最初に、日本小児科学会が2011年に示した予防接種スケジュールについて、ロタウイルスとムンプスは取り残されていると指摘。また、ムンプスによる合併症として無菌性髄膜炎、脳炎・脳症、精巣炎が多く、後遺症として聴力障害、中枢神経障害(発達障害、てんかん)、性腺機能障害(不妊)などがあるとした。特に聴力障害については、2015 年~2016 年の2 年間に少なくとも348 人がムンプス難聴を発症し、うち16 人は両側高度難聴、261 人が一側重度難聴の後遺症を残したという日本耳鼻咽喉科学会の「ムンプス難聴の全国規模調査」の結果を紹介し、少なくとも年間140人が社会生活に著しい支障を来す後遺症を残すと説明した。

 さらに、ムンプス自然感染と幼児期早期にワクチンを接種した場合の無菌性髄膜炎について比較。自然感染は年齢が高くなるにつれて、無菌性髄膜炎や難聴の合併率が高くなり、ムンプスワクチンも耳下腺腫脹や無菌性髄膜炎の合併症の頻度が高くなるとした。1~2歳での初回接種が推奨されるようになった最近の製造販売後調査では、無菌性髄膜炎は3~4万人に1人(0.003%)の発症で当初より低下し、自然感染による髄膜炎の発症率1.24%と比べると、約400分の1であると解説した。

 これに基づきメリットがリスクを上回ると判断、ワクチンに関連する17 団体から成る予防接種推進専門協議会が今年5月、厚生労働省に現行のムンプスワクチンでの定期接種化を要望。9月10日の予防接種基本方針部会の小委員会で議論され、リスクを十分説明し理解を得て実施という選択肢1と、より高い安全性が期待できるワクチンが承認されるまで待つという選択肢2から、選択肢2が選ばれたと説明した。

 最後に細矢主任教授は、「おたふくかぜで難聴になるのを知っていたら絶対にワクチンを接種していた。任意接種なのは国が推奨していないからだと思っていた」という保護者の声を紹介し、「現時点で定期接種化ができないのであれば、国として理由を説明し、任意接種を妨げないようにしてもらいたい」と訴えた。

投稿者 ときえだ小児科クリニック | 記事URL

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