ときえだ通信

2017年9月 8日 金曜日

ムンプス(おたふくかぜ)予防接種の勧め

最近、話題になることが多い、ムンプス難聴に関する気になる全国調査結果です。要旨を以下記しておきます。
「この2年」でムンプス難聴336人
先進国で唯一、定期接種化ない日本の全国調査


日本耳鼻咽喉科学会(理事長 東京慈恵会医科大学名誉教授・森山寛氏)は9月5日、東京都内で記者会見を開催し、全国5565施設を対象とした初の本格的な調査により、ムンプスが流行した2015年1月から2016年12月までの2年間に、少なくとも336人が「ムンプス難聴」と診断されていたとのデータを発表した。同調査の回答率は64%とのことで、「実際のムンプス難聴患者はもっと多い可能性もある」(森山氏)。ムンプス難聴は、ムンプスワクチンで防ぎ得る合併症。日本を除く先進国では、小児への2回の定期接種が導入されている。日本小児科学会などは小児期の接種を推奨し、国に定期接種化を要望している。しかし、1993年のMMRワクチン接種の中止以来、単味ワクチンは流通しているものの、予防接種率は30-40%にとどまり、周期的な流行を繰り返している。(取材・まとめ:m3.com編集部・坂口恵)
今回の調査は、ムンプス難聴例(厚労省研究班1987年の診断基準の「確実例」を満たす症例)の聴力予後などを追跡した初の本格的な調査。ムンプス難聴の特徴としてこれまで指摘されてきた「高度難聴」「根治は困難」の実態が改めて浮き彫りにされた。

 発表者の守本倫子氏(日本耳鼻咽喉科学会福祉医療・乳幼児委員会委員長、国立成育医療研究センター耳鼻咽喉科医長)によると、全国でこの2年に診断、報告されたムンプス難聴336人のうち、詳細が得られた314人の約80%(260人)に、会話が困難など、日常生活にかなりの支障を来す「高度以上の難聴」の後遺症が見られた。発症年齢は2-3歳が最も多く、次いで6-13歳、20歳代後半から40歳くらいまでの「子育て世代」の成人が多かった。「家庭内で子供がムンプスに罹患し、予防接種歴や罹患歴のない親が感染している可能性が考えられた」と守本氏。

 調査に回答した一部の医師からは、「ムンプス難聴と診断された時点で、妊娠中であったために急性期のステロイドの点滴治療を断念せざるを得なかったケースもあった」との情報提供があったという。守本氏は「特発性の急性感音性難聴と異なり、ムンプスなどのウイルス性の感音性難聴に対し、ステロイドの全身投与が奏効することは少ない」としつつ、「医師にとっては少しでも改善の可能性があれば、同薬による治療を開始したいと考える」とも述べ、医師と患者のやり切れない状況を慮った。

やはり、危惧されたようにムンプス後遺症の難聴は少なくないようですね。定期接種化されていない感染症なのでどうしても接種率が下がる現状があります。そのことが、また感染の危険を増やしているという悪循環が考えられます。
無菌性髄膜炎で後遺症は残らないことから、相互的に判断すると予防接種を受けることのメリットは大きいと思います。

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2017年6月20日 火曜日

卵アレルギー発症予防のための新しい取り組み


アトピー乳児半年から卵を アレルギー予防で学会提言

臨床  2017年6月19日 (月)配信共同通信社

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 卵アレルギーのリスクが高いアトピー性皮膚炎の乳児について、発症を予防するために生後半年から卵をごく少量ずつ食べ始めるよう勧める提言を、日本小児アレルギー学会が16日、発表した。

 医師の指導を受けて行うことが原則で、安全のため、既に卵アレルギーを発症している場合は安易に与えないことや、まず皮膚炎を治療してから摂取を始めるべきと警告している。医師にアトピー性皮膚炎と診断されていなくても、湿疹によるかゆみがある場合はリスクがあるとしている。

 提言では、アトピー性皮膚炎のある乳児の場合、卵の摂取が遅いほどアレルギーの発症リスクが高まることなどを示した国内外の研究例を紹介。

 日本の研究では、1歳の時点で、卵を全く与えていなかったアトピー性皮膚炎の乳児では約4割が卵アレルギーを発症した一方、生後6カ月から微量のゆで卵の粉末を食べさせ続けたケースでは、発症した乳児は1割を下回った。

 小麦や牛乳など他の食品の早期摂取や、湿疹のない乳児に卵を早く与えることのアレルギー予防効果は、現状では確認されていないという。

 同日記者会見した海老沢元宏(えびさわ・もとひろ)・同学会理事は「かつては卵アレルギーの発症を避けるために摂取の開始を遅らせる指導をしていたが、それでは患者が増えてしまう。医師の他、一般の人にも広く知ってほしい」と話した。

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2017年4月25日 火曜日

インフルエンザワクチンの有効性

インフルエンザワクチンの小児での予防効果についてアメリカの研究成果が発表されたので記しておきます。

論文の概略;インフルエンザで死亡した小児は多くがワクチン未接種だったとの研究結果が報告された。米国小児科学会(AAP)が4月3日、Pediatrics誌の掲載論文を紹介した。

 研究グループは、2010-2014年の4シーズン中にインフルエンザで死亡した小児(生後6カ月-17歳)291例の記録を調査。291例のうちインフルエンザワクチンを受けていたのは26%で、ワクチンの有効性(VE)は65%と算定された。

 一方、基礎疾患のある高リスク児では、インフルエンザで死亡した153例のワクチン接種率は31%で、VEは51%。このことから、高リスクでない小児でワクチンの効果が高いことが分かった。

 この結果について、同学会は「生後6カ月以上の全ての小児に毎年インフルエンザの予防接種を推奨している現行の勧告を支持するもの」としている。

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2016年9月 3日 土曜日

点鼻インフルエンザ生ワクチン(フルミスト)について

数年前から点鼻インフルエンザ生ワクチン(フルミスト)を接種する医療機関がいくつか見られるようになりました。注射ではないので、いわゆる(痛くない)予防接種です。
ただ、当院ではいくつかの疑問点・問題点が残されていることより、採用は当面見送ります。その問題点とは
①国内で承認された予防接種ではないので、副作用が出た時の保障(救済措置)が不透明
②小児では、現行の不活化ワクチン方が効果が高いというデータが多い
③生ワクチンなので、軽いが感染症状が出現する
④喘息などのアレルギー症状のある患者さんは受けられない
国内で正式に承認されたら検討したいと思います

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2015年11月 6日 金曜日

予防接種と食物アレルギー

この季節になると 時々「卵アレルギーがあるのですがインフルエンザワクチン接種はできますか?」という質問を受けます。結論を言いますと「問題なくできます」です。
その最大の根拠は、卵アレルギーの患者さんでこれまでインフルエンザ予防接種でI型アナフィラキシーショックを起こした症例は世界的に報告がないからです。その理由としては、抗原量の違いと考えられています。
アナフィラキシーショックを起こす抗原量は少なくともmg単位(1gの1000分の1)とされていますが、ワクチンに残存する可能性のある抗原量はμg単位(1mgの1000分の1)なので、ショックを引き起こす可能性がない、という訳です。

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