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小児への新型コロナウイルスワクチンについての最新知見

12歳以上の小児に対する新型コロナウイルスワクチン接種が始まりました。接種に関する最新の知見を専門家が紹介してくれていますので転記します。


12歳以上のコロナワクチン「メリット大きい。接種後の体調管理、相談を」 三谷義英・三重大学先天性心疾患・川崎病センターセンター長に聞く m3.com編集部2021年8月18日 (水)配信 一般内科疾患循環器疾患小児科疾患耳鼻咽喉科疾患救急

 先ごろ、新型コロナウイルスワクチンの添付文書に心筋炎・心膜炎に関する情報が追加された(関連記事)。ワクチン成分との因果関係は不明、かつ頻度はごくまれで、若年者、男性での報告が比較的多いとされている。自分での意思決定がある程度可能になる12歳以上の年齢層への接種が始まる中で、本人や保護者にどのような情報提供や支援が必要なのか。小児循環器専門医で、COVID-19流行当初から小児 COVID-19 関連多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)などについて、学会で積極的な情報収集に動いていた三谷義英氏(三重大学先天性心疾患・川崎病センターセンター長、三重大学医学部附属病院周産母子センター病院教授、日本川崎病学会会長、日本小児循環器学会理事、日本循環器学会理事)に話を聞いた。なお、三谷氏によると、「現在も新しい情報が日々集積中で、短期間に見解がアップデートされる可能性もある」とのことだ。(m3.com編集部:坂口恵/2021年7月9日より数回取材、8月11日現在の情報を基に作成) 12歳以上の若年者へのCOVID-19ワクチン接種の意義は? 重篤な基礎疾患がある場合、健康な場合の対応  基本的に日本小児科学会日本小児科医会の提言に基づき、子どもを新型コロナウイルス感染から守るために、周囲の成人(医療従事者、子どもに関わる業務従事者)への現在国内で進んでいる2回のmRNAワクチン接種を完了させることが重要です。同ワクチンは12歳以上の子どもにおいても有効性が高く、さらに、12歳以上の心疾患など基礎疾患を有する若年者において、COVID-19ワクチン接種のメリットは副反応などのデメリットより大きいとされ、基本的に推奨されます(日本小児循環器学会日本川崎病学会、下記「関連リンク」)。  重篤な基礎疾患(神経疾患心血管疾患呼吸器疾患脳性麻痺免疫不全、高度肥満、ダウン症候群等)のある子どもへの同ワクチン接種は、COVID-19の重症化抑制が期待され、接種が推奨されます(GOV.UKの指針、「関連リンク」)。ただ、個別の健康状態も接種に際して考慮する必要があり、本人の健康状況をよく把握している主治医と養育者の間で、接種後の体調管理などについて事前に相談することが望ましいと考えます。  健康な子どもへのワクチン接種は、本人の感染、発症、重症化を防ぎ、みんなで接種することにより、家族や友達への感染を防ぎ、制限の少ない学校生活の維持にもつながります。特に第5波におけるCOVID-19患者の若年化を考えると12歳以上の健康な子どもへの接種は意義があると考えます〔日本小児科学会の提言(下記関連リンク)を参照〕。ただし、一定の割合で一時的な副反応も報告されており、あらかじめ本人と養育者でワクチンのメリット、デメリットを理解しておく必要があります。  これは、小児のCOVID-19が比較的軽症であることが多い一方、国内の医療従事者を対象とした同ワクチン接種後の健康状況調査で、80-90%に局所の痛み、50-60%に倦怠感頭痛、20%程度で38℃以上の発熱があり、まれに接種直後にアナフィラキシーという重いアレルギー反応を起こすことが報告されているからです〔新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)(厚生労働省、2021年7月21日)〕。 12-15歳で接種後の発熱、寒気などの報告が若干多い  海外での12-15歳を対象とする小児の臨床試験N Engl J Med. 2021; 385: 239-250)で、16-25歳に比べて、発熱、寒気などの症状、解熱剤の使用が若干多いことが報告されています。しかし、いずれも症状は軽微で、1−2日で寛解しており、良好な免疫反応と高い有効性(100%)を示す結果が得られています。 頻度はまれだが、接種後の胸痛動悸息切れは受診を  また、同ワクチンの市販後調査において、心筋炎、心膜炎の発症がまれながら報告されています。米国のmRNAワクチン接種後の心筋炎、心膜炎の12−39歳の安全性調査〔ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチンの合同解析、米疾病対策センター(CDC)の予防接種諮問委員会(ACIP)資料〕では、1回目の接種より2回目に多く(2021年6月5日までの両社ワクチンの集計。1回目接種後の報告頻度4.4件/100万回接種に対し、2回目接種後は12.6件/100万回接種)、若い男性に多く、2回目接種後の心筋炎、心膜炎の報告の約8割は男性でした。接種後4-5日以内に認め、多くが軽症で症状は改善したと報告されています。したがって、接種後数日以内に、胸痛動悸息切れなどの症状が出現した場合は、速やかに医療機関への受診を勧めます。 接種のメリットはデメリットより大きい MIS-C/PIMSの51-90%に心機能障害  比較対象として問題になるのが、新型コロナウイルス感染の合併症としての急性心筋炎の報告です。米国の若年大学生アスリートの新型コロナウイルス感染者の前方視的研究で、 0.5-3.0%に無症状、ないし軽症の心筋炎を認めました(Circulation. 2021; 144: 256-266)。  一方、子どものCOVID-19重症化はまれですが、感染者数の増加にともない欧米で特に問題となっているのがCOVID-19に関連する小児多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)です。MIS-C/PIMSでの、何らかの心機能障害例の発現頻度は51-90%に上ります〔「小児 COVID-19 関連多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)診療コンセンサスステートメント」〕。以上から、新型コロナウイルスワクチン接種による感染、重症化予防のメリットは、現時点(2021年7月末日)で、同ワクチン接種後に報告されている心筋炎・心膜炎も含めたデメリットより大きいと考えられています。  特に日本の12歳以上の子どもについては、今後の継続的な調査によるさらなる検討が重要です。今後も最新情報に注目する必要があります。

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