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お知らせ・ときえだ通信

ときえだ小児科クリニック お知らせ・ときえだ通信

新型コロナウイルス最新の知見

まだまだ解明は不十分ですが、これまでにわかってきた情報を整理してみます。

このことから、多少なりとも対処法のヒントがありそうです。


8~9割の感染者(特に持病がない人や小児)は軽症で経過し、快復します。

重症化のリスクとそのメカニズムに3つのパターンがあります。


肺炎型

このウイルスは間質性肺炎を起こしますが、肺がかなりダメージを受けるまで自覚症状(咳や息苦しさなど)が軽いため、自覚症状が出た時には手遅れであることが多いようです(サイレント ニューモニアと言われる)。

早期にCTで肺炎を診断すること、SpO2で酸素化の状態を客観的にモニターすることが大事です。肺に持病(重症の喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫等)のある方のリスクが高いと考えられます。


血管障害型

スイスからの報告では死亡した感染者は全身の血管炎の状態であったそうです。欧米からの報告でも、脳血管障害(脳血栓症)や心筋梗塞の合併増加が報告されています。持病(動脈硬化、高血圧、糖尿病)のある方にリスクが高くなる理由でしょう。

小児での血管炎の代表である川崎病の報告が米国で増えているのも、このことが関係していると考えられています。


サイトカインストーム型

稀にマイコプラズマ感染等でも見られますが免疫反応が強烈に起こり、リンパ球などの免疫細胞が病原体だけでなく自分の身体を攻撃することにより生じる現象です。特にウイルスは我々の細胞内で増殖する為、ウイルスに感染した自己細胞を手当たり次第に攻撃することにより起こると考えられています。多臓器不全で亡くなる方はこのタイプです。どのような体質の方が起こしやすいかは分かっていませんが、若い方の死亡例の多くはこのタイプと考えられます。



上記以外の情報として、男性ホルモンがウイルス感染と増殖を手助けするようで、重症者が男性に圧倒的に多いのもこれが関係しているようです。

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